麗しの60s-bewitched

アメリカが一番かっこよくて、憧れだった時代。ミッドセンチュリー。
イームズヤコブセンみたいな椅子、ぽってりしたソファ、ダークな木材の脚の細い家具たち、ファイヤーキングパイレックスのガラス食器、テキスタイル、今見ても自由な時代の華やかさが表れていて心が躍る。ファッションもしかり、ジャッキー(故ケネディ大統領夫人)の装いが注目の的でジャッキースタイルなんて言葉が今でもあるくらい。自由で、豊かで、強いアメリカへの憧れ。実際はベトナム戦争なんかもあったわけだけど、この時代の全てが当時の日本人の美意識に影響を与えたのはきっと間違いなく、それは今もなおアートや、ファッション、インテリアなど、日本の様々なシーンに垣間見られる。まだ私が小さい子どもだった頃、母が見ていたアメリカのTV番組の再放送。この番組も、古き良きアメリカを象徴する人気番組だったらしい。オープニングのアニメーションがいかにも「外国(=アメリカ)っぽくて」子どもながらに印象的だった。ピクピクと鼻を動かす練習を母としたのを懐かしく思い出す。

ストーリーはサマンサという魔女が人間の男性に恋をして結婚してからのコメディ。いい大人になって改めて見てみるとサマンサの仕草の可愛らしさや髪型、ファッションが本当に興味深い。結果的に母娘二代でハマったというわけ。サマンサ役のElizabeth Montgomeryの本当の声は低い大人っぽい声、ふき替えのサマンサの声(北浜晴子さん)のほうが優しくてしっくりくるのは子どもの頃の懐かしさからかな。私にとって、初めてのエレガンスの象徴は、サマンサ、彼女かもしれない。