日曜の愉しみ

日曜日は、日本経済新聞・日曜版の書評コーナーをチェック。
「あ、忘れた!」の時はここでチェックできるので安心。
今、読んでいるのはこれ。

狼たちの月

狼たちの月

スペイン人作家による1937年から1946年までのスペイン内戦についての小説。限りなく真実に近いフィクションということらしい。
購入のきっかけはオビに書かれた作家であり詩人である小池昌代氏のコトバ。「私がリャマサーレスを読む理由はただひとつ。我を忘れて文章の快楽に身を委ねたいからだ。重い銃声の響き、獣の血の匂い。極限を生き抜く男たちの、息の詰まるような静謐な生。荒々しい野生をとどめたまま、なぜ文章はここまで強靭に透き通るのか。読後に横たわる、倒木のごとき太い哀しみ。」と、まあ、こんなふう。こんな紹介文を目にしたら読まずにはいられない。いつか訪れたいと思っているバスク地方にも関連性があるという点も魅力だった。
表紙も良い、キャンバスにナイフで塗りつけたと思われる油彩のグレーの微妙な濃淡は、極寒の厳しさ、長い夜の孤独を現しているようで美しくさえある。本屋さんのカバーは付けない派の私にとって、表紙の美しさは、手に取る度に本の世界へ滑り込むことができる幸福感を約束してくれるようで読書の愉しみを倍増させる。
さあさ、夜は長い。たっぷりと、いきましょう(笑)。