目下の恋人

今年は本当にボジョレーが美味しい。
もうほとんど毎日飲むのは、決まってボジョレー。
思えば19歳の夏、一緒にホームステイしてたフランスの女の子に無理やり飲まされた時からずっと去年まで、飲むと決まって頭が痛くて仕方がなかったガメイ種なのにこれはどうしたことか。
体質変化でしょうか。
昨日は金曜日、仕事が終わっても飲みになんて行きたくない。もう、早く帰りたくて帰りたくて。お目当ては、読みかけの本。
殺菌効果のある石鹸で両手をゴシゴシ、イソジンでしつこいくらいゴロゴロしたら、ボジョレーの入ったグラス片手に急いで読みかけのページをめくる。すると、とたんにTRIP。嗚呼...。

ファミリーポートレイト

ファミリーポートレイト

ワタシの”目下の恋人”は、桜庭一樹の新刊。「私の男」以来、なんだか妙に惹かれているこの人の世界。人間のもつ暗い影の部分、もしかしたら皆が知らなかったかのように振舞う触れたくない心の裏の奥深いところ。そういうタブーみたいものを、なんて甘美に表現するのか、と。混沌として先が見えない不幸や醜いことを書いても、不思議と漂う透明感や清らかさ。
ところで、この作家サン、名前から男性なのか女性なのか。読んだ人はわかるはずだけど、オンナです。午前中は執筆、午後は読書、年間400冊は読む無類の読書家ってことだけは調べがつきました(笑)。
明日からは3日間の公休消化。活字の洪水に身もココロもなすがままに流されて、もっともっと、この人の、読みたい。