朝6:00、東京は先ほどから霧雨が降っています。蝉の鳴き声もなくとても涼しい。連日の猛暑があたかも夢だったよう。
アメリカから帰国後、愛猫が老衰の為亡くなり茫然自失だった私。彼は18年半生きていたし最近の老衰ぶりからも、ある程度、覚悟はしてたんですけどね。どうしてもやらなきゃならないことは辛うじてこなしつつも、突如として襲ってくる喪失感はどうすることもできず、いつ涙が止まらなくなっても都合が悪くないよう外へ出歩くこともなくお誘いも体裁良くお断りし引き篭もってたわけです。最期のほうの彼の毛の感触とかすっかり痩せた骨格とか、健常で賢い小さい頭とか全てを思い出しながら。とにかく独りでいたかった。でもこの苦しさを癒したいっていう気持ちもあって「私一生このままだったらどうしよう」と正直怖かった。頭はとても冷静なのに体が現実を受け入れられないというもの凄い喪失感。そんな時ある人に会いました。彼は世界中を巡る長〜い旅から戻ったばかり。お茶を飲みながら長〜い旅の話をダイジェスト版で聞く。夢のように美しいかの地の情景とリアルな日本人の旅人が孤軍奮闘している姿を想像しながら聞くエピソードにいつしか大笑いしてる自分に気づく。「彼ってこんな人だったけ?」心と体の錆びがとれてゆるぎない充実感と自己と向き合った自信みたいなものがもうグルグルと彼の周りを渦巻いているのが見えるよう。その日は一日気持ちが前向きで穏やか、以来、あの壮絶な悲しみは襲って来なくなりました。
人には「気」が流れていて良し悪し強弱の個人差はあれど、基本はもらったりあげたりしながら「気」の流れに影響の受けて生きていくものだと私は信じているだけど、まさにこれがそんな体験でした。彼は私の負の気をたくさんもらっちゃったかもしれません(笑)。でもあれだけ正の気もってたら当分は誰にも負けないかな。今日の写真はその彼が6,7年前に撮った写真、拝借しました。

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